造園会社との上手な付き合い方
「いい」庭を、余計なコストをかけずに創るには、造園業者とのコミュニケーションは必ず必要です。後悔しないための造園業者との上手な付き合い方をご紹介します。
施主の「したいこと」と設計者の「優先すべきこと」
実際に現地調査をすると、、施主の方が考えていなかったコストが必要になることがあります(特にリフォームの場合)。
その際、設計者が優先するのが”奥のことほど先にする”、”数年後に必要な土木工事は今する”ということです。現代の住宅事情では、庭に重機を入れることがままなりません。 ある程度の広さがある庭の場合、重機が入れるかどうかは、後の工事の人件費に大きな差が生じてしまいます。
予算内でできることと、より満足度の高いデザイン
"設計者は、当初お客様から提示された予算の枠内でできるプランを提案させていただきますが、その一方で設計者として「よりお客様に満足していただけるには?」と考えます。
これはただ単に「もっとお金をかけるといいものができますよ」というものではなく、度々できる工事ではないからこそ、設計者は「真にお客さまの満足」を考えるならば、その案を提示してみるべきだと考えます。
庭というものは、家の残りの土地に作るのではなく、元々あった自然の景色の中に家を建てたようにデザインすると、家と庭に一体感が生まれます。庭にかける思いやコストは、条件だけでは推し量れないものがあります・・・。"
コスト上手になるには・・・浅く薄くよりも局所集中で
"実際庭の設計を依頼する際、最初の関門になるのは、予定していたコストと希望内容との落差です。希望を並べてみるときりがなく「あれもしたいこれもしたい」のは人情ですが、限られたコストで最大の効果を希望されるなら、浅く薄く手広くするのではなく、局所集中をお勧めします。
つまりグレードを下げても全部を実現しようとするのではなく、ある程度のクオリティを維持してできないことは先送りにするという選択です。中途半端なことをすると、結局は満足できず却ってコストがかかったという例がよくあるからです。
庭は経年で変化する自然物が数多く扱われ、メインテナンスも必要ですし、住む人も10年くらいでライフスタイルを変えていきます。初めての庭造りで「もうこれっきり」の完成形を狙うのではなく、「これをきっかけにはじめる」という柔軟なスタンスをもつことができれば、コストについても、上手に優先順位を選んでいけるのではないでしょうか?"
工事金額と満足感と大切なこと
工事の契約金額とは発注者が求めたものを業者が提供したときに支払うそれに「見合った報酬金額」のことですが、発注者(お客様)が少しでも安く工事の発注をしたいと思うことに、私も異存はありません。
でも庭園工事は、楽しみの下ごしらえ工事、つまり完成品ではない、ということを考慮しておいて頂きたいと思うのです。
例えば新車を購入するときに、エンジンの価格、ドアパネルの価格、組み立て費、営業マンの人件費、広告費、会刹の経費がいくら、なんて聞く入はいませんよね。
エンジンのない車は商品の価値がないので、部品をバラバラにした見積書には意味がないからですね。
でも庭の場合は、景石はいくら、高木は、門柱は、下草一式は、といった見積書をもらいます。庭の場合は足したり、引いたりするからですね。
でも、工事費は「物」の値段の積み重ねだけで決まるのではないのです。
「どこに工事を頼むか決めるとき、さまぎまな専門家としての提案やデザインや設計、コンサルティングや後々のアドバイス、枯れたときの補償も含めて、みなさんの庭づくりの楽しみにどれだけ協力してくれるかということも大切だと思いませんか?
本来、そういったソフトの部分も含めて業者を評価し、対価としての報酬を支払うのではないでしょうか。
ひとつひとつの値段の妥当性と同時に、さまざまなアドバイスやデザインセンスなども含めて、合計金額として納得できるかどうかという見方をすることも大切なのです。
要は、庭づくりを楽しむためには、業者といかに良いパートナーシップがとれるかが大切だということだと思います。
景石ひとつの値段を値切ることに全精力を注ぎ込み、それが済むと次は門柱の値段を値切りにかかるというような折衝をしていては、業者だけでなく発注者(お客様)も疲れてしまいます。
せっかくの専門家とのデザイン談義も楽しめないし、業者側もいい提案をする気持ちがなくなります。できあがった庭が、たとえすぱらしいものだったとしても、もっと安くできたのではないか、だまされたのではないかと思うようでは、真の喜びが湧かないと思うのです。
また、できあがった庭の良さを理解することよりどれだけ値切ってやったという印象だけが残るようでは、後々、業者との良い関係も築けませんよね。
ひとつひとつが人間の手づくりである点、世の中に同じものはないというのが、他の商品と違う点です。工場で完成された新車が納品されるのと仕相みが違うのです。
妥当な価格を知るためには、複数の業者の見積もりを比較するしかありませんが、そのときは、各社とも同じ条件にすることが必要です。
つまり同じもの、同じ設計で同じ工期です。そうしなけれぱ金額の比較はできません。
木や景石は標準的な寸法で指定します。
また、A社が描いた図面をB社に持ち込むのはルール違反です。それではA杜の設計費用とそれまでの経費がB仕には不要だからです。
それに、もしA社との打ら合わせで自分の庭のイメージが確かなものになったのなら、そのアドバイス料はA社に支払うべきものですよね、さらに言うとA社の設計図には著作権があります。
ですから、この場合はそういった経費をA社に支払うものとしてA社の見積り金額から差し引き、純粋工事費分だけでB引と比較しないと公平でほありません。
大切なことは値段だけを問題にするより、いい庭を妥当な価格でつくるためには、腕のいい良心的な専門家と信頼関係をつくり、活用し、ともに喜ぶ姿勢が大切です。
庭は安い買い物ではありません、まずはいろいろな業者に相談をして、じっくり話をし「この業者だったら」と思う自分にあった業者を見つけましょう。
なくても生活できる場所「庭」だからこそ、形だけでなく、心豊かになる「想い」を入れて創ってみてはいかがでしょうか?
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